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加計呂麻島チップ工場問題 「総有」という考え方
すでにあちこちのブログで取り上げられていますが、加計呂麻島でチップ工場建設問題が出ています。

何が問題なのかというと
・加計呂麻島の人たちに説明なく建設が始められようとしている(一応、説明会が開かれたので「いた」かもしれませんが、計画が一時停止しているわけではないので「いる」という現在進行形です)
・島の約半分、47%を伐採する計画
・水、生態系への影響をきちんと検証していない
などなど。

奄美・加計呂麻何でもありブログ「チップ工場」のカテゴリで、説明会の様子をテープ起こししてくれています(何でもあり姉さんの労作。会社の姿勢もわかりますから、ぜひ目を通してください)。
savekakeroma@ウィキにも、関連ブログや最新情報が出ています。


島の森は、町有林、私有林が入り交じっていて、権利関係が複雑なようです。

町有林、町=公共の所有(共有)と、個人=私の所有(私有)。
伝聞ではあるのですが、所有について、これまでの共有か私有かという二元論ではなく、「総有」という概念があるそうです(内山節「創造的である」ということ〈下〉地域の作法から (人間選書))。

私有物ではあるけれど、村の人たちの共有の網がかかっているものには「総有的性格」がある。

加計呂麻島はにほんの里100選にも選ばれ、島の景観は瀬戸内町の観光資源としても重要な財産であるわけで、そういう点から見ると、島の森っていうのは、権利的には私有財産であっても総有的性格がある、といえるのではないでしょうか。

上記の本では、「新しい総有関係やそれを可能にする共同行動のあり方を考え出すことが現下の課題」としているそうですが、まさに加計呂麻はいま、その課題に直面しているわけです。

模索する時間的猶予はほとんどないという厳しい状況ではあるけれど、会社も町も島の人たちも、この大事な局面を、ほんとに大事に考えてほしいと願っています。

そして直接の当事者ではなくても、この島を愛する私たちにだって、離れていてもできることがあるはずです。一度でもこの島を訪れたり、写真で見たりして、島の風景を「美しい」と感じたことがあるなら、その人も「総有」の輪に連なっている、という解釈だって成り立つはずだから。


| シマ情報 | 15:46 | comments(4) | trackbacks(0) |
コメント
徳之島問題から奄美群島調べてて気になったので書き込みしてみました。森林伐採って程度によるけど必要なんじゃないんですか?前にテレビで山で働く人の特集見たけど、日の当り方とか成長促進のために適度に伐採するみたい。だとしたら、その伐採で出た木を使ってチップ(?でしたっけ?)にするのはいんじゃないのでしょうか?たぶん工場ができることも問題なんだろうけど。働く場所ができるのも悪くないのでは?まあよくわかりませんが。
| ゆいま〜る | 2010/05/19 11:20 AM |
わざわざ、美しい島をなぜ壊そうとするのか。残念です。 島には貴重な動物や植物が生きています。雇用など人の生きる道も必要でしょうが、一度この生態系を壊したら元には戻す事は難しい事。山を失えば海も失う事にもつながります。共存していく術はないのでしょうか。
本当に腹立たしくてやりきれない気持ちです。
| のあ | 2010/09/09 12:18 PM |
他人の生活なんてどうでもよいと思ってる人たち。
Iターンしてきて役場の楽な仕事もらってる人だったり(ジュースでよく見る)、文化財保護審議官みたいな仕事もらって加計呂麻で違法ガイドしてる人だったり、とんでもない人が含まれてる。
何かの助成金か補助金を使って本を出して実績をつくりたいのかもしれないけど、税金を使った売名行為ですね。
| ライブハウスジ | 2015/03/23 3:59 AM |
替成、反対どちらかの意見を表面するにしても難しいことだったと思います。かつては林業で生計を立てていた人は仕事がなくなり、自然への影響を懸念する人しかり、利害対立が生まれた事案でした。双方の言い分を聞いて結果的に妥協策・打開策が出せなかったことが残念に考じた人も多分にいたと思われます。
人の暮らしと自然保護の両立を考えるきっかけになればと思います。
| 当時を思い出して | 2015/03/24 12:44 AM |
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