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アマミノクロウサギに耐性菌
asahi.com「耐性菌、野生動物にも 人への影響、監視必要」という記事が出ている。

 絶滅の恐れのあるヤンバルクイナやアマミノクロウサギなど15種以上の野生動物が、抗生物質(抗菌剤)の効かない耐性菌に汚染されていることが、岐阜大や酪農学園大などの研究でわかった。抗菌剤の乱用で出現する耐性菌が、医療や畜産の現場だけでなく、環境中にまで拡散している実態がはっきりした。

(中略)

 酪農学園大の田村豊教授や東京大医科学研究所の調査でも、06〜07年に鹿児島県・奄美大島で集めたアマミノクロウサギの糞128検体から採れた大腸菌の2%は耐性菌だった。(中略)

 抗菌剤は人間や家畜の治療用だけでなく、農薬などとしても広く使われている。人間などの排泄(はいせつ)物をはじめ、さまざまな経路で耐性菌が環境中に広まった可能性がある。(後略)


つい先日、外耳炎になって抗菌剤を飲んだばかり。外耳炎じゃなくても風邪でも胃炎でも、私たちは抗菌剤をどれだけ飲んでいるかわからない。


日本ではほとんどの場合、排泄はトイレで行い多くは下水処理されているはずだけど、上下水道が完備していない場所では人間の排泄物と野生動物との接点が濃くなるのだろう。

でも問題は、抗菌剤を飲んだ人間の排泄物だけじゃなく、記事で指摘されているように農薬などに含まれる抗菌剤の影響じゃないだろうか。農薬にどれだけ抗菌剤が含まれているのか詳しくは知らないけど、土壌殺菌剤なんてもちろん抗菌剤が入っているはずだ。

農薬だけじゃない。ペットや家畜に投与される薬にだって抗菌剤は含まれている。農薬やこうした動物用の薬剤を投与された動物の排泄物なら、野生動物との接点はよりこくなることは確実だ。

数年前、トリインフルエンザが流行したときは、動物→ヒトへの病原菌の感染が言われ、そのごコイヘルペスもあった。今回はヒト→動物。ヒトから直接ではないけれど、私たちの生活が環境に害を与えていることには違いない。

記事では
環境中に耐性菌が広まれば、人間への感染防止策がより難しくなるほか、抗菌剤の効かない新たな病原菌が出現する危険性もある。

として、こうした野生動物の耐性菌→ヒトへの影響を心配しているが、果たしてそれでいいのだろうか。ヒトに影響がありそうだから考えなきゃいけないっていうのはどこかおかしくないだろうか。

ヒトに影響がある、というのは、自分たちの暮らし方のツケがまわってくるってこと。それをイヤだ、というのは我が儘な子どものようではないだろうか。もちろん新たな病原菌は困るが、そうした危険性をもっている暮らし方を考え直したり、抗菌剤に頼らない健康なからだ、暮らし方を心がけよう、という方が私は納得しやすい。

| シマ情報 | 22:40 | comments(0) | trackbacks(1) |
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前提を疑う
自分が人類に属するという理由だけで「人類が滅びるような事態“だけ”は回避しなければならない」というのは、あまりにも傲慢で笑い話のようだ。エゴイズムと言うも愚かな、薄気味の悪い冗談でしかない。
| PSJ渋谷研究所X | 2007/09/04 2:45 AM |